導入
日本の農薬・種子産業を見渡すと、表向き「国産」と言いながら、実態は海外資本の下請け構造にある。まるで三菱重工が米国の戦闘機F-35をライセンス生産しているのと同じように、日本の農業は「国内製造」でも頭脳も利益も海外に帰属している。
1. 日本の農薬構造=Bayer依存構造
- 主力ネオニコ系農薬の特許は、ドイツのBayer AGやスイスのSyngentaが握る。
- 日本の住友化学・三井化学は「国内メーカー」として登録販売しているが、原薬や技術供給は海外企業。
- 特許料と商標権の多くはドイツ本社に支払われる。
| 項目 | 戦闘機(F-35) | 農薬・種子(ネオニコ) |
|---|---|---|
| 設計・特許 | 米国ロッキード・マーチン | ドイツBayer、スイスSyngenta |
| ライセンス生産 | 三菱重工が国内組立 | 住友化学・三井化学が製造販売 |
| 部品・原薬供給 | 米国から輸入 | 欧州から原薬輸入 |
| 利益の流れ | ロッキードにロイヤリティ | Bayerに特許料 |
→ 日本は「安全保障」と「食料安全保障」の両方で、最終組立国(サブコントラクター)に過ぎない。
2. バイエル社のルーツ:化学と軍需の系譜
- 1863年、ドイツ・ヴッパータールで**フリードリヒ・バイエル(Friedrich Bayer)**が創業。
- 当初は染料商人、のちに化学・製薬へ転換。
- 1899年、「アスピリン」を開発し世界的企業に成長。
- 第一次・第二次大戦では軍需化学メーカーとして活動。親会社IGファルベンはナチス政権と連携。
- 戦後、Bayer・BASF・Hoechstとして再編・独立。化学・医薬・農薬の三本柱を確立。
コラム:Bayerという名前の二重性
“Bayer(バイエル)”はドイツ語で「バイエルン人」を意味する一般的な姓。出身地を表すもので、必ずしもユダヤ系ではない。しかし、19世紀以降、ドイツ南部やオーストリアに住んでいたアシュケナージ系ユダヤ人の間にも多く見られる姓でもある。
- アシュケナージ系ユダヤ人は姓登録の際、居住地(例:Bayer=バイエルン出身)を用いることが多かった。
- 企業Bayer創業者のフリードリヒ・バイエルは記録上ユダヤ系ではないが、当時の化学産業の資金網にはユダヤ系金融資本が深く関与していた。
- つまり、「名前」は偶然でも、産業構造としてはユダヤ系金融と化学産業が結びついた歴史を持つ。
“Bayer”という名は、地名に由来する一般姓でありながら、近代欧州資本主義の二重構造──民族・金融・科学の交錯点──を象徴している。
3. モンサント買収で完成した“食料産業複合体”
- 2018年、Bayerは米モンサントを約6.3兆円で買収。これにより、種子・農薬・流通の支配構造を一社で統合。
- モンサントが開発した「ラウンドアップ(グリホサート)」もBayer傘下に。
- 世界の食料供給チェーンの上流を、1社が事実上コントロールする形が完成した。
結論
「国産」農薬、「国産」米、どちらも見かけ上の独立にすぎない。
特許と利益の流れを追えば、答えはドイツ・スイス・アメリカに通じる。
戦闘機も、田んぼも──日本は“最終組立国”に過ぎない。